横浜弁護士会新聞

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2000年6月号(3)

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議長就任挨拶  沼尾 雅徳
 何回目の常議員なのか、確とは憶えていないが、今回は議長を仰せ付かった。本年度の永井朗会長とは、平成二年度の山田尚典会長執行部で共に副会長を勤めた間柄である。本年度にそれぞれ会長と議長として会務に携わることになったのも、何かの縁という気がする。いずれにしても、大役に身の引き締まる思いである。
 これまで歴代議長のうちの何人かの見事な議事運営を拝見してきたが、それらを思い起してみるとき、私には到底及ばぬことというのが正直な感想である。常議員各位にはおそらく心許ない議事運営と映ることと思うが、司法改革その他多数の重要案件が出てくるであろうことの予想される本年度にあっては、何よりも存分に御議論いただくことを心掛けて参りたい。
 これまでは、年度内に二度の懇親会と一度の忘年会が行なわれてきており、その宴席の費用の一定部分や二次会の費用等を正・副議長が負担する等という慣行があったようである。明年度以降どうなるかは判らないが、本年度はそれらを廃止したいと考え、一部実行した。明年には二一世紀という現在において、右の慣行がなおも今日的意義をもっているとは思えないからである。
 ともあれ、質の高い審議がなされることを何より願っており、そのために一年間全力を尽すつもりである。各位の御協力を賜りたい。
副議長就任挨拶 瀬古 宜春
 皆様、こんにちは。
 この度、横浜弁護士会の常議員会副議長に就任しました瀬古宜春です。
 横浜で修習し、そのまま昭和五五年に横浜弁護士会に登録した三二期です。入会と同時に山下光法律事務所に入り、今もって居座りつづけている古強者です。
 これまで横浜弁護士会の会務については、重要なことは全くと言っていいほどしておらず、ましてや理事者の経験もありません。一番長くやっているのは、横浜弁護士会野球部の監督ですが、これは当会所属の弁護士で構成している野球チームというだけで、弁護士会とは直接の関係はありません。
 常議員会の副議長と言えば、理事者経験者が就任するのが普通で、私のような平会員がなるものではありませんが、ことの成り行きでこうなってしまいました。
 野球部の監督といえば、格好は良いようですが、勝った時は選手の手柄、ぼろ負けした時は監督の責任で、選手は言うことを聞いてくれませんし、実際は、雑用と気配りが仕事のようなものなのです。こうした監督業で培った忍耐強さを活かして、目立たず、騒がず、しかし、それでいながら議長をきちんと補佐していると言われるように努力していきたいと思います。
 この紙面上で常議員会レポートを書くのも副議長の重要な仕事です。
 どのように書こうか、何も方針を決めていませんので、その都度、雰囲気が違うと思いますが、皆様からのご意見を頼りに、少しでも良いものにしていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。

1 「破産懇」?
 当会会員の方々は「破産懇」というものをご存じであろうか。ちなみに、民事事件・刑事事件に関する当会と横浜地裁との協議の場として、民事裁判懇談会(通称「民裁懇」)・刑事裁判懇談会(「通称「刑裁懇」)が存在することは、多くの方々がご存じのことと思う。「破産懇」とは、有り体に言えばその破産事件版であり、破産事務懇談会というのが、正式な名称である。
2 発足の経緯
 近年における破産申立件数の増加は著しく、昨年一年間の破産申立て件数は全国で一〇万件を超えるまでに至っている。そして、そうした状況においては、我々弁護士の方でも破産申立人の代理人として、また管財事件となった場合の破産管財人として、今まで以上に迅速かつ効率的に事件を処理することが要求されてくる。そこで、これらの問題を検討すべく、当会の業務対策委員会、消費者委員会が中心となって、破産管財業務改善チームなるものが編成されるところとなった。同チームは、名称こそ「破産管財業務」となっているが、実際には、破産申立時における問題、同時廃止事件となった場合の問題も含め、破産事件全般に関する問題を扱っている。
 しかしながら、破産事件関係の問題は、実際には、我々弁護士側の対応だけで改善を図ることは難しい。また、事件を受理する裁判所の側でも、破産申立件数の急激な増加に伴って破産申立書式の定型化、破産管財人の確保等が大きな問題となっていたが、それには弁護士会の協力が不可欠との認識があったようである。
 このような観点より、破産事件に関して当会と横浜地裁との協議を行う窓口として設けられたのが「破産懇」である。(平成一〇年一一月二〇日、「破産懇」の第一回が開催されたが、以降、二カ月に一回のペースで開催されて現在に至っている。)
3 これまでの活動内容と今後の抱負
 ところで、「破産懇」において、発足当初一年間程は、(1)破産管財人の確保と(2)破産申立書式の改善が主要なテーマとして取り上げられてきた。これらについては、(1)破産管財人名簿の作成(再編成)、(2)破産申立書の新書式という形で結実し、それぞれ大きな成果を上げているといってよいのではなかろうか。
 また、倒産法分野では、先頃施行された民事再生法を皮切りに今後も大規模な改正が予定されていることからして、これからも「破産懇」に期待される役割は大きいものと思われる。
 当会側でも、今後は、構成メンバーにつき増員、新旧交替を図り、活動がよりいっそう活発化することを期待したい。
(会員 川島 俊郎) 

 5月25日午後5時から、関内駅南口の広場で「市民のための司法改革」を訴える日弁連100万人署名活動が行われた。永井会長以下37名の会員が参加し、日弁連ビラの裏に説明文をつけた独自ビラ1400枚を配り、1時間のうちに290名の署名を集めた。怒濤のように突き進む司法制度改革の動きに今後とも注目していきましょう。

議長・副議長選任/入会許否問題
─後者は小委員会を設けて検討へ─
 岡本前会長(二五期)が「今年の常議員は若いなあ。私より期が上の先生は、日下部さん(一二期)と、大木さん(一九期)だけか。」というくらい、本年度の常議員は若いのが特徴です。(ちなみに、一〇期台は二人と二〇期台は、六人しかいません。)
 例年、各期代表の形で常議員が出てくる訳ですが、常議員の定数三五名に対し、現在の弁護士登録が五二期ということになると、全ての期から代表を出す訳にはいきません。こうして、年度によってベテランが多くなったり、逆に若手が多くなったりする訳ですが、今年は若さが売り物の常議員会になりました。
 さて四月は、四月一二日、二七日と二回の常議員会がありましたが、本紙では、第一回の常議員会について報告します。(第二回については、次号で報告します。)
 第一回目は、各常議員の任期の始期から間がないうえ、各常議員の都合を考慮しないで、理事者の都合で期日が決められるため、通常、集まりは悪いのですが、今年は全常議員三五名のうち三〇名が参加するなど、非常に集まりが良く、今後に期待をもたせるものでした。
 第一回の常議員会で決めなければならない議長・副議長については、議長に沼尾雅徳会員、副議長には不肖、私が選任されました。二人のプロフィールは、二人の「就任挨拶」をご覧下さい。
 第一回の常議員会は、議長・副議長の選任程度で議事を終了し、後は、懇親会へ、というのが普通です。しかし今年は、その他に「関弁連規約の改正問題」と「入会申込者の入会許否問題」があり、直ぐには終わりませんでした。
 前者は、修習期間の短縮に伴う新規入会者の入会時期の変更に伴う単位弁護士会の関弁連に対する関弁連会費の支払い方法に関するもので、会員には実質的な影響を与えるものではありません。したがって、理事者による簡単な説明で承認となりましたが、後者については、常議員会の中に小委員会を設けて検討し、その結果を常議員会に報告することになりました。
 さて、第一回の常議員会の後は、恒例の懇親会が関内の「相生」で行なわれ、大いに懇親の実をあげました。但し、ここ数年恒例となっている議長・副議長招待による「二次会」は、これから議長・副議長になる人達のためにも、無駄なことは、徹底して省いていこうとの議長・副議長の方針により行なわれず、飲み足りない人は、それぞれ連れ立って夜の関内へと散って行ったようです。(貧乏な副議長は、心底安堵。)
(副議長 瀬古 宜春) 

常議員からズバリひとこと
 先だっての日弁連会長選挙の際に、司法審路線に対する強い危惧感から、皆様方の忙しい勤務時間に、失礼を顧みずに次々にお電話いたしました。さぞ迷惑でしたでしょうに、とても丁寧に応対していただき、違う立場であっても、お互いの立場を尊重した会話が出来て、とても感動すら覚えました。この場を借りてあらためて、御迷惑をお掛けしたお詫びと、お礼とを申し上げたいと思います。横浜弁護士会は、すばらしいと思いました。
(第五〇期 茆原 正道) 

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