横浜弁護士会新聞

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2000年12月号(4)

 

 一〇月二八日(土)、恒例の法曹対抗ソフトボール大会が秋晴れの横浜スタジアムにおいて開催され、他チームと比べてこの大会に賭ける意気込みが明らかに一枚上の検察庁チームが、今年も堂々優勝した。
 検察庁チームは例年どおり初戦は裁判所チームとの対戦であったが、三回に渡って裁判所チームに逆転を許しながらも最後は一一対一〇で気迫の逆転勝ちをおさめ、昨年に続き一点差での決勝進出となった。
 一方の弁護士会チームは、初戦修習生チームに九対五と敗れた。
 しかし、勝敗の如何にかかわらず弁護士会が決勝に進出するという特別ルールがある。規定により検察庁チームとの対戦へと進んだ。
 迎えた決勝戦、弁護士会チームは検察庁チームに一人立ち向かうエース茆原正道会員の足を守備陣が揃って引っ張り、前半で大量失点、後半は頼みの野球部員が好守備を連発するも打撃振るわず追い上げの気配なし。結局検察庁チームが大差での優勝を決めた。
 なお裁判所チーム対修習生チームは試合途中の事故により中断となったが、裁判所チームでは普段の法廷とは全然違う表情で白球を追う裁判官や裁判所職員の姿が印象的であった。
 また、修習生チームでは、早くも弁護士会野球部スカウト陣(?)の熱い視線が向けられる選手の活躍が目立った。
 春の法曹懇談会と並んで、三庁の親睦を図る秋のイベントとしてすっかり定着したソフトボール大会、試合後の懇親会も和やかに進行して、解散となった。
(阿部 雅彦) 


執行妨害なんかこわくない
51期  飯島奈津子
 電話で「『イージマナオコ』弁護士さんいますか?」と芸能人の名前と言い間違えられたことが何度かありますが、その名前とは少し違いまして飯島奈津子と申します。まだ弁護士二年目の五一期です。私が入るまでは、細身のボスと細身の姉弁というスレンダーな体型の弁護士しかいなかった大久保博法律事務所に勤務しております。
 イソ弁が二人とも女性というのは外部から見ると多少紛らわしいことがあるのかも、と思いきや、姉弁の個性の強さのためか、これまで姉弁と取り違えられることはほとんどありませんでした。ただ、建物収去土地明渡執行の立会で、手紙も受取らず、裁判も出てこず、執行になって初めて顔を合わせたという債務者から間違えられてしまいました。その人は裁判の書類に書いてある我々債権者代理人の名前はよく読んでいたらしく、「なんだ、このあま〜女の弁護士なんかにやられてたまるかおまえが大関(姉弁の名前)か?」と私にどなってきましたので、「違います。」と答えました。
 ちなみに、その執行事件は、その人が大暴れしてしまい、結局、警察で強制執行妨害罪として立件されて、参考人として私も取調べを受けました。担当の刑事さんは仕事熱心で親切でしたが、私が女性であるせいか、「とてもおそろしくて、一体どうなることかと心配でたまりませんでした」といった調書にしたがるのです。しかし、私としては、実際そんなにこわかった訳でもないし、立会っている弁護士があまりに恐がっているような内容の調書を刑事裁判で裁判官や弁護人に見られるのも恥ずかしいので、「こわいというより、困ったな〜、執行は無事終わるのかな〜というかんじでした。」と何度も言って、なんとかそのような内容にしてもらいました。供述調書の信用性・任意性について考えさせられる、なかなか有意義な体験でした。
 まだまだ経験不足ではありますが、頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。


充実感の中で味わったビール
54期修習生  早川 和孝(指導担当  橋本吉行会員)
 あっという間に終わろうとしている三ヶ月の弁護修習の中にはたくさん思い出があるのですが、まず感想としては、「この三ヶ月たくさん飲んだな」と思います。指導担当の橋本先生がお酒好きということもあったのですが、少し遅めに残っていると「どう、ご飯食べてく?」と誘ってくださり、当然食事だけで終わるはずがなく、ビールから水割り、焼酎、日本酒…へと宴は続いていきます。また、お酒も美味いのです。前期修習中には味わえなかったこの美味さ。特に今年の夏は暑かったので、蒸し暑い接見室から帰ってきたり、路上で交通事故の見分をしたりした後の一杯は格別でした。
 こんなことばかり書いていますと、お前は何を修習していたのだと言われそうなのですが、こんなにお酒が美味かったのは、やはり何より修習生活が充実していたからだと思います。警察から企業の応接室まで、普段は入れない場所、強制わいせつ犯から社長さんまで、友人にはいなそうな人、そしてその人たちを巡るこってりとした問題。前期、教室の中での講義と起案に半ば飽き飽きしていた自分にとっては、毎日が変化の実務修習は、とても新鮮で有意義でした。そんな中での充実感が、どれだけビールをおいしく飲ませてくれたか。
 もちろん、失敗もありました。新杉田と新子安をまちがえて行ってしまったり、なかなか起案ができず先生にヒヤヒヤさせてしまったり、寝てはまずいシチュエーションでこっくりやってしまったり。そんなときもそんなときで、こぼしてみたり、慰めてもらったり、励ましてもらったり、忘れられないお酒がたくさんありました。
 何だかお酒の話ばかりしてしまいましたが、要は自分のこの三ヶ月がどれだけ充実していたかということを何かを通して伝えたかっただけで、それは中華料理でも横浜スタジアムでもよかったのです。この暑かった横浜の夏、汗だくで、そして充実感いっぱいで喉を鳴らしたビールの味は一生忘れられない宝物です


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編集後記
 お洒落なスーツ姿で颯爽と現れた長尾判事。さわやかな語り口には弁護士時代もきっと人気があったことでしょう。センスの良い弁護士としての香りをそのまま裁判所でも漂わせてもらえればと思います。
二〇〇〇年一一月一日
デスク 船橋 俊司   一面 栗田 誠之   二面 阿部 雅彦
三面 浦田 修志   四面 小沢 弘子      

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