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神奈川県弁護士会 人権救済勧告等一覧(2006年度以降)

対横浜拘置支所 トランスジェンダーの在所者がホルモン療法など医学的な措置を求めた場合には従前の治療経過や専門的知見を十分踏まえて、当該医学的な措置の必要性を判断するよう、勧告(2024年6月13日)

横浜拘置支所は、トランスジェンダーの在所者がホルモン療法など医学的な措置を求めた場合には、従前の治療経過につき主治医に対し確認したり、性同一性障害について特に専門的な知識及び経験を有する医師の意見を仰いだりするなどして、従前の治療経過や専門的知見を十分踏まえて、当該医学的な措置の必要性を判断するよう、勧告する。

対横浜刑務所 医師の診断なく被収容者の処方薬を取り上げないよう、また、緊急の必要性から一時保管をした場合であっても、速やかに処方薬の引き上げについて医師の判断を仰ぐよう警告(2024年6月13日)

横浜刑務所は、医師の診断なく被収容者の処方薬を取り上げないよう、また、緊急の必要性から一時保管をした場合であっても、速やかに処方薬の引き上げについて医師の判断を仰ぐなどして、被収容者の生命・身体の安全を損なうことのないよう警告する。

対横浜拘置支所 被収容者の個人情報が流出、漏洩しないよう万全の措置を講ずるよう警告(2024年1月17日)

横浜拘置支所は、物品の差し入れ、宅下げにおいては、被収容者の個人情報が流出、漏洩しないよう徹底するためにも、称呼番号・氏名・居室札・本人に対する呼称確認など人定確認の作業手順をマニュアル化したり、人定確認作業においてダブルチェックを行ったり、定期的に個人情報に関する職員研修を行ったりするなど、万全の措置を講ずるよう警告する。

対横浜刑務所 有形力の行使にあたっては、その必要性及び相当性について、慎重な考慮を行うよう勧告(2024年1月17日)

横浜刑務所は、申立人が工場へ行くことを拒否し、房の扉を蹴ったのに対し、相手方職員が申立人の腕をねじり上げ、地面に1分間押さえつけた行為は、申立人に対する不当な有形力の行使であるから、かかる行為を繰り返さないよう、有形力の行使にあたっては、その必要性及び相当性について、慎重な考慮を行うよう勧告する。

対横浜刑務所 安易に受刑者の信書の発信を禁止することがないよう要望(2023年12月7日)

横浜刑務所は、受刑者の信書の発信を許可するかどうかについては、受刑者の性向、行状、刑務所内の管理、保安の状況、当該信書の内容その他の具体的事情の下で、これを許すことにより、刑務所内の規律及び秩序の維持、受刑者の身柄の確保、受刑者の改善、更生の点において放置することのできない程度の障害が生ずる相当のがい然性があると認められる場合に限って制限されるべきとの原則を踏まえ、安易に信書の発信を禁止することがないよう要望する。

対D病院 入院患者に対し不当に身体拘束を行うことがないよう、警告(2023年7月6日)

D病院は、同病院の入院患者である申立人に対し、そのまま放置していたのでは申立人の生命又は身体に深刻な害が及ぶほどの切迫性があったとは認められなかったにもかかわらず、2020年4月21日に身体拘束を開始したことに加え、同年4月26日までの6日間もの間、断続的に、漫然と身体拘束をした。かかる処遇は、申立人の身体を長期間にわたり不当に拘束するものであり、憲法13条、18条、22条1項、31条以下及び国際人権規約B規約で認められる身体拘束をされない権利を侵害するものである。  したがって、今後は入院患者に対し不当に身体拘束を行うことがないよう、警告する。

対横浜刑務所 受刑者に対し、適切な医療を提供するよう、警告(2023年5月25日)

横浜刑務所は、①医薬品を受刑者に処方するにあたっては、添付文書に記載された注意事項を遵守して行うこと、②処方する医薬品について、その効用や副作用などを受刑者に説明をすること、③緑内障患者への定期的な眼圧検査など、定期的な検査により病態の進行程度を観察すべき疾病を患う受刑者に対しては、一般の医療指針に従って適切な検査を行うこと、④受刑者に求められたときには、医師が、病態の進行具合、治療方法、処方薬の内容などの情報を伝え、その意見を聞きながら治療行為を行うこと、などを実施し、今後今回のような人権侵害行為を繰り返さないよう警告する。

対横浜地方裁判所 被疑者・被告人に対し、その適正な手続的処遇を受ける権利及び個人の尊厳を侵害するような不適切な発言が行なわれることのないよう勧告する(2023年3月9日)

横浜地方裁判所に対し、今後は同裁判所管内の裁判所における勾留質問を含む刑事手続において、被疑者・被告人に対し、その適正な手続的処遇を受ける権利及び個人の尊厳を侵害するような不適切な発言が行なわれることのないよう勧告する。

対横浜刑務所 受刑者に対し、適切な診察及び医療を提供するよう、勧告(2023年2月24日)

横浜刑務所は、受刑者に対し、インフォームド・コンセントを前提とする社会一般において通常とされている方法による適切な診察及び医療(症状の原因を究明するための検査を含む。)を提供するよう、勧告する。

対横浜刑務所 被収容者に対し、閉居罰の受罰姿勢として正座又は安座の姿勢を強制することについて勧告(2022年10月6日)

横浜刑務所が、被収容者に対し、閉居罰の受罰姿勢として正座又は安座の姿勢を強制することは、体罰と同様の苦痛を与えることになり、違法である。よって、かかる強制を直ちに中止するよう勧告する。

対横浜刑務所 工場就業者の諸動作について勧告(2022年3月24日)

横浜刑務所に対し、「工場就業者の諸動作について」と題する文書に基づく、被収容者に対する「移動に際して、被収容者に、職員の掛ける号令に合わせて、足先が自然に下に向くように、左足から足を上げ、手の振りは両手の指先、肘を伸ばし、自然に振る」という指導は直ちにやめるよう勧告する。

対横浜刑務所、速やかに申立人に対する昼夜単独室処遇を停止するよう求めるとともに、監視カメラ付き単独室処遇はもちろん昼夜単独室処遇についても必要やむを得ない場合にごく短期間のみ実施するにとどめるよう警告する(2021年12月9日)

横浜刑務所が,申立人に対し,2019年11月30日以降2021年9月2日までの間,監視カメラ付き単独室処遇とした処分は,申立人のプライバシー権を侵害するものであり,仮に,カメラが作動していない時間帯があったとしても,カメラが作動していないことを伝えずにいたことから,申立人を監視の不安に晒して非人道的に扱うものであって,申立人の尊厳を侵害するものである。また,2020年2月5日以降,懲罰及びその調査の期間を除く2021年10月18日現在までの間,正当な理由なく昼夜単独室処遇とする処分は,申立人の幸福追求権を侵害するものである。 したがって,速やかに申立人に対する昼夜単独室処遇を停止するよう求めるとともに,監視カメラ付き単独室処遇はもちろん昼夜単独室処遇についても必要やむを得ない場合にごく短期間のみ実施するにとどめるよう,警告する。

対C病院 入院患者に対し不当に身体拘束を行うことがないよう、警告(2021年9月8日)

 C病院は、C病院の入院患者である申立人に対し、そのまま放置していたのでは申立人の生命又は身体に深刻な害が及ぶほどの切迫性があったとは認められなかったにもかかわらず2017年6月24日に身体拘束を開始したことに加え、さらに、同年7月18日までの25日間もの間漫然と身体拘束を継続した。かかる処遇は、申立人の身体を極めて長期間にわたり不当に拘束するものであり、憲法13条、18条、22条1項、31条以下、及び国際人権規約B規約で認められる身体拘束をされない権利を著しく侵害するものである。したがって、今後は不当に身体拘束を行うことがないよう、警告する。

対横浜刑務所 収容者の出廷権の実現についての要望(2021年5月19日)

収容者から民事訴訟への出廷許可願いが出された場合、出廷権の基本的権利性に鑑み、原則として出廷を認めつつ、例外として当該具体的事情の下で、出廷を許すことによって刑事施設内の規律及び秩序の維持に放置することができない程度の障害が生ずる具体的蓋然性があると十分な根拠に基づいて認められ、そのために出廷を制限することが必要かつ合理的と認められる場合に限って出廷を不許可とすべきこと
上記の運用のための具体的処理規程を策定し、不許可の場合には収容者に具体的理由を告知するなどして、当該収容者の出廷権の実現に十分に努めること

対神奈川県立高校 頭髪指導、いじめ対応についての勧告(2020年9月9日)

県立高校が、頭髪の色などを理由として卒業式に参列させない指導をしたこと、及びいじめに対して十分な支援をしなかったことは申立人の教育を受ける権利を侵害するものであり、今後は頭髪の色などを理由として卒業式に生徒を参列させないという指導を行わないこと、いじめに対しては十分な支援を講じることを勧告する。

対神奈川県立高校 帰宅指導措置に対する要望(2020年6月11日)

県立高校が、頭髪・脱色を理由として生徒に対して行っている帰宅指導措置は、生徒の授業を受ける権利及び生徒の人格権・自己決定権を侵害するものであり、今後は、頭髪を染髪・脱色していることを理由に生徒の授業出席を阻害しないように要望する。

対横浜刑務所、東日本成人矯正医療センター 被収容者に対してHIV一次検査の結果を速やかに告知せず、二次検査を勧めなかったことによる人権侵害に対する警告(2020年6月11日)

横浜刑務所はHIV検査のために申立人の採血を行い、八王子医療刑務所はHIV一次検査を実施したところ、陽性であることが判明した。そこで、速やかに東京都保健局に二次検査を依頼すべきであったが、採血後一年以上検査結果を申立人に告知せず、二次検査も勧めなかったことによって、申立人は早期に治療を開始することができなかった。

申立人に対する処遇は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第56条、憲法第13条、憲法第25条により保障された社会一般の保健衛生及び医療水準に照らし適切な保険衛生上及び医療上の措置を受ける申立人の人権を侵害するものであり、今後、このような人権制限を行わないよう警告する。

対横浜刑務所 被収容者の生活に厳しい制限を課している保護室に収容し,法が想定する期間を大幅に超過して収容を継続するような人権制限を行わないように警告(2019年10月17日)

横浜刑務所において服役している申立人について,法令上収容期間及び収容期間の更新について厳格な時間制限(原則72時間以内,例外的に48時間ごとの更新)が定められているにもかかわらず,被収容者の生活に厳しい制限を課している保護室に収容し,法が想定する期間を大幅に超過して収容を継続した。

申立人に対する上記処遇は,憲法13条,18条,31条,国際人権規約B規約第7条により,刑事施設収容中においても不当に非人道的若しくは品位を傷つける取り扱いを受けないという申立人の人権を侵害するものであり,今後,上記のような人権制限を行わないように警告する。

対B病院 入院患者を不当に身体拘束及び隔離措置を行うことがないよう、警告(2019年6月13日)

B病院は、B病院の入院患者である申立人に対し、平成30年2月5日には身体拘束を解除すべきであったにもかかわらず同年3月1日まで漫然と身体拘束を継続し、その間の同年2月5日には申立人の弁護士面会時において身体拘束のまま面会をさせ、さらに、隔離措置の必要性がないにもかかわらず同日から同月13日までは隔離措置を継続した。これらの申立人に対する処遇は、申立人の身体を極めて長期間にわたり不当に拘束するものであり、憲法13条、18条、22条1項、31条以下、及び国際人権規約B規約で認められる身体拘束や隔離をされない権利を著しく侵害するものである。したがって、今後は、不当に身体拘束及び隔離措置を行うことがないよう、警告する。

対神奈川県 朝鮮学校に通う児童・生徒らに対する学費補助金の不支給という人権侵害を直ちに止めるとともに,朝鮮学校に通う児童・生徒らの権利を回復するため,直ちに,過去にさかのぼって学費補助金を交付するよう警告(2018年11月14日)

神奈川県は,2014年度以降,外国人学校に通う児童・生徒の保護者に対し,直接学費を補助する制度を導入しているところ,2016年度以降は,学校法人神奈川朝鮮学園に通う児童・生徒の保護者に対しては,学校法人神奈川朝鮮学園が使用している現代朝鮮史の教科書について拉致問題を盛り込んだ改訂がなされていないことを理由として学費補助金の支給をしていない。

神奈川県のこのような取り扱いは,朝鮮学校に通う児童・生徒らの教育を受ける権利(民族教育を受ける権利)に不利益を及ぼす不合理な差別的取り扱いというべきであって,憲法,国際人権条約において保障されている平等原則に違反するものである。このような取り扱いは,朝鮮学校に通う児童・生徒らに対する差別を助長するものにつながりかねないものであり,極めて重大な問題である。

よって,当会は,貴県に対し,朝鮮学校に通う児童・生徒らに対する学費補助金の不支給という人権侵害を直ちに止めるとともに,朝鮮学校に通う児童・生徒らの権利を回復するため,直ちに,過去にさかのぼって学費補助金を交付するよう警告する。

対神奈川県警察本部・神奈川県戸塚警察署 戒具の不適切な使用によって被留置者の身体を不当に拘束及び損傷することのないよう警告(2018年10月18日)

神奈川県戸塚警察署留置施設において、警察官らが、申立人に対し、2016年4月7日午後7時35分から同月8日午後1時40分までの間、手錠及び捕縄を使用し続けたことは、申立人の身体を不当に拘束及び損傷し、申立人の人権を著しく侵害したものである。したがって、今後は、戒具の不適切な使用によって被留置者の身体を不当に拘束及び損傷することのないよう警告する。

対神奈川県警察本部・神奈川県戸塚警察署 正当性のない捕縄による不当な拘束、被留置者の身体を損傷するような捕縄による拘束を行わないよう、また被留置者が受傷した場合には、迅速に医師による治療を受けさせるよう警告(2018年10月18日)

神奈川県戸塚警察署留置施設において、警察官らが、申立人に対し、2017年7月16日正当な理由なく不当に両手首、両膝、両足首を捕縄で拘束して、膝部打撲傷、手関節部打撲傷を負わせたこと及びその4日後の同月20日まで申立人に対し、医師による治療を受けさせなかったことは、申立人の人権を著しく侵害したものである。したがって、今後は、正当性のない捕縄による不当な拘束、被留置者の身体を損傷するような捕縄による拘束を行わないよう、また被留置者が受傷した場合には、迅速に医師による治療を受けさせるよう警告する。

対横浜市内中学校 いじめ問題について勧告(2017年11月9日)

生徒間のいじめ問題について学校側が適切に支援しなかったことが生徒の教育を受ける権利の侵害に該当するとして、横浜市内の中学校に対し、適切な支援を行うよう勧告。

対神奈川県警察本部 戒具の不適切な使用によって被留置者の身体を不当に損傷することのないよう警告(2017年7月13日)

神奈川県警察本部が、同県警本部大和留置施設において、平成27年6月10日から同年7月27日までの申立人の勾留期間中、申立人に対し、身体の各部に内出血痕が残るような態様で手錠及び捕縄を頻回かつ長時間にわたり不適切な方法によって使用したことは、申立人の身体を不当に損傷し、申立人の人権を侵害したものである。したがって、今後は、戒具の不適切な使用によって被留置者の身体を不当に損傷することのないよう警告する。

対海老名市議会議員 性的少数者の人権を侵害する差別発言に対する勧告(2017年6月8日)

海老名市議会議員Aが、2015年(平成27年)11月29日未明インターネット短文投稿サイトTwitterにおいて行った、報道機関が掲載した同性愛に関する報道ツイートに対する3件のツイートは、性的少数者の人権を侵害する差別発言であるので、市議会議員である者の発言には影響力があることも斟酌し、今後二度と性的少数者に対して差別発言を繰り返さないよう勧告する。

対横浜刑務所 工場就業者の諸動作について勧告(2016年2月10日)

「工場就業者の諸動作について」と題する文書に基づく被収容者に対する以下の指導等は、直ちにやめるよう勧告する。

  1. 移動に際して、被収容者に、職員の掛ける号令に合わせて、「足先が自然に下に向くように、左足から足を上げ、手の振りは両手の指先、肘を伸ばし、自然に振る。」よう指導すること
  2. 前項の移動方法に従っているか否かを、優良工場の評価の一要素とすること
  3. 刑務所内での「休め」の姿勢について、「両腕を背部に回し、左手を下、右手をその上にして両親指を交差させ、その他の指を伸ばす。」よう被収容者に指導すること

対横浜刑務所 外部交通不許可について勧告(2016年1月14日)

被収容者の養親との間の外部交通について、たとえその養親が「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者」である場合であっても、その外部交通を認めるのが法の趣旨であり、申立人に対する事情聴取等、申立人と養親との関係についての十分な調査も経ずに、申立人と申立人の養親との外部交通を全面的に禁止し、禁止とした具体的理由も説明しない貴所の措置は申立人の権利を侵害したものである。今後は、申立人と養親との外部交通を安易に一律禁止するのではなく、その養親子関係を十分に調査し、可能な限り外部交通を許可するよう勧告する。

対横浜刑務所 雑誌の宅下げ手続について勧告(2015年3月12日)

横浜刑務所では、被収容者が雑誌の宅下げをする際、親族に対する場合も願せんに宅下げの理由を疎明させているが、このことは、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律50条に違反し人権侵害であるため、今後は願せんに宅下げの理由を書かせることはされないよう勧告。

対横浜刑務所 書籍閲覧不許可について勧告(2014年12月11日)

横浜刑務所が、男性同士の恋愛や性行為の表現のある書籍・雑誌について閲覧不許可処分をした行為は、性的嗜好を理由とする差別的取扱であり、憲法上保障されている申立人の閲読の自由を侵害するものであるから、今後このような人権侵害行為に及ぶことのないよう勧告。

対神奈川県警等 違法捜査及びそれを隠蔽する偽証等について警告(2014年2月12日)

神奈川県警の警察官らが、覚せい剤取締法違反で任意捜査中、逃走を阻止する目的で申立人の右手を後ろ手に捻り上げた行為は違法な実質逮捕であり、さらに、令状もなく、その必要性・緊急性も同意もない中で、申立人車両を検索したという重大な違法行為をした。その後、覚せい剤発見の経緯や申立人を捜査車両に乗車させた経緯について虚偽の事実を記載した現行犯人逮捕手続書を作成・行使し、刑事事件の法廷で証人として出廷しながら、上記の経緯について事実に反する証言をした。それらの行為は、無令状での検索や実質逮捕という重大な違法を隠蔽するためのものであり、申立人の適正な刑事手続を受ける権利等を侵害し、申立人に対する人権侵害行為であると判断した。そこで、深い反省を求めるとともに、今後は不当な捜査を断じて行わないとともに、同じような隠匿行為を二度と行わないよう警告した。

対横浜刑務所 差入現金の処理に関して要望(2013年12月11日)

知人から現金5,000円の郵送差入があり、検査の後に一旦領置したが、その知人との関係に問題があったとして、申立人の承諾を得ずその現金を差入人に返還したことは、法令の根拠のない行為であるから、今後はそのような対応をしないよう要望。

対横浜刑務所 知人との外部交通不許可について勧告(2013年12月11日)

複数の申立人から、特定の者との外部交通が、具体的理由を示されることなく、一律に禁止されたという申立がなされた。これについて、現刑事収容施法制定の経緯を深く認識し、信書の中に仮に不適切な記載等があっても、当該部分の抹消等、他のより制限的でない手段を採用するなど、受刑者の外部交通を広く認める措置をとるよう、また、受刑者の外部交通を禁止する措置をした場合は、抽象的な文言ではなく、その具体的理由を受刑者に説明するよう勧告。

対横浜刑務所 眼鏡の使用不許可について勧告(2013年12月11日)

フレームに「PRADA」の文字列がある眼鏡を「華美」として使用不許可とした措置は人権侵害であり、使用を許可するよう勧告。

対横浜刑務所 医療について勧告(2013年8月14日付け)

めまいを訴え診察を求める受刑者に対し、検査や鑑別診断もせず、さらに診察を求めたところ、閉居15日の懲罰を科したことについて、今後は適正な医療を行うよう勧告。

対テレビ神奈川 現行犯逮捕の報道について勧告(2013年6月12日付け)

風俗営業法の許可を受けずにスナック営業していた女性の現行犯逮捕の映像を顔のアップと実名入りでニュース報道し、その映像を1か月以上ネットでアクセスできる状態にしたことはプライバシー権、名誉権の侵害であるので、今後は十分配慮した報道を行うよう勧告。

対横浜刑務所 医療について勧告(2013年2月13日付け)

腰椎椎間板ヘルニアに起因する腰部の痛みを訴える受刑者に対し、内服薬の処方を認めず、レントゲン、CT、MRIなどの検査も行わなかったことについて、今後は適正な医療を行うよう勧告。

対横浜拘置支所 単独室における運動、発信不許可について勧告(2013年2月13日付け)

①横浜拘置支所の単独室では、居室内運動が認められているが、その居室内運動では立ち上がって運動することが制限されているので、今後はそのような制限をしないよう勧告。
②横浜拘置支所にいた未決拘禁者が、以前お世話になった別の刑務所の刑務官に対して出した信書を、信書の発信自体「威迫」に当たるとして不許可とした措置は人権侵害であると勧告。

対横浜刑務所 制限区分4種による昼夜単独室処遇について勧告(2012年6月13日付け)

横浜刑務所において服役していた申立人は、少なくとも2007年6月22日から2009年2月14日までの604日の間、通算484日に及ぶ制限区分第4種としての昼夜居室処遇を中心に、閉居罰、保護室収容期間を含めて、継続して実質的な隔離状態の処遇を受け続けた。その間申立人は、集団的労役を拒否していたわけではなく、受刑者の改善更生と社会生活への適応を目的とする刑務所としては、できる限り集団的労役その他の集団処遇を行うよう努めるべきところ、これを怠って上記のような処遇を継続したことは人権侵害であるので、受刑者を制限区分第4種に指定した場合にも、できる限り集団処遇を行うよう、また、やむを得ず昼夜居室処遇を行う場合もできる限り短期間に止め、その期間が長期化して実質的な隔離状態になることのないよう勧告。

対横浜刑務所、国 制限区分4種による昼夜単独室処遇について勧告(2012年6月13日付け)

単独室に2名を収容する処遇が行われていたが、これは、処遇環境が劣悪になり、プライバシーが保たれないことはもちろん、いじめ等の温床にもなりかねず、被収容者の尊厳及び人格的利益を損なう処遇であるので、単独室に2名を収容する処遇を行わないよう勧告。

対横浜刑務所 通数外発信について要望(2011年12月15日付け)

受刑者が、裁判遂行のために裁判所等の官公署宛てに発しようとする信書や、訴訟を委任している弁護士宛てに発しようとする信書及び弁護士会宛てに発しようとする信書については、月単位で定められる発信申請通数を越える場合にも、発信申請を許可する運用とするよう要望。

対横浜刑務所 宅下げについて勧告(2011年1月14日付け)

受刑者が所持している雑誌について、面会時の交付による宅下げ及び宅配便による宅下げを認めなくなったことは、刑事施設被収容者法に反するものであり、禁止した刑務所側の理由にも合理性はないと判断して、宅急便や面会時の宅下げを認めるよう勧告。

対緑警察署等 不当な取調等について勧告(2010年12月10日付け)

信号無視事案について、運転免許証を見せなかったため、道路交通法違反の現行犯として逮捕された申立人に対し、運転免許証の提示を受けた後も、長時間申立人を警察に留め置き、黙秘権の告知なく実質的な取調を行ったことは人権侵害であり、今後はこのような捜査を行わないよう勧告。

対神奈川県警等 不当な捜査について警告(2010年12月9日付け)

交際中の女性が行方不明になったところ、警察がその女性を被害者とする殺人事件として捜査を始め、申立人に対し、黙秘権の告知もないまま、長時間、強制・脅迫を行いながら取調を行ったこと、申立人の友人・知人や勤務先、取引先に「申立人は犯人だ」と言って事情聴取を行ったことについて、今後はそのような捜査を行わないよう警告。

レッドパージについて、政府に勧告(2010年2月18日付)

申立人18名は、1949年から1950年にかけて、横浜市や日本鋼管、電産等から解雇、免職または休職とされた、いわゆるレッドパージの被害者であるが、これは、特定の思想・信条を理由とする差別的取扱いであり、思想良心の自由、法の下の平等、結社の自由を侵害するものであって、速やかに申立人らの名誉回復、補償を含めた適切な措置を講ずるよう勧告。

対川崎警察署等 深夜・長時間にわたる取調について勧告(2009年7月8日付け)

放置自転車を無断で使ってしまった72歳の女性に対し、川崎警察で午後6時10分頃から、少なくとも午後11時55分頃まで取調が行われたことについて、本件のような事案では、深夜または長時間にわたる取調は行わないよう勧告。

対横浜刑務所 受刑者への職員の行為について警告(2008年12月11日付け)

ある受刑者が、一人の刑務官から、房内で横になっていたところ意味もなく飛び乗られる、紙を丸めて咽喉元を突かれる、ゴミ捨て場に閉じ込められる、デブ、豚などの言葉を投げつけられる、意味もない体重測定を繰り返される、という行為を継続して受けていたことは人権侵害であり、今後はこのような行為のないよう人権教育を徹底するよう警告。

対横浜刑務所 運動について勧告(2008年11月13日付け)

入浴日は、戸外や体育館ではなく「工場内運動(機械等が設置されている工場内において、自分が配置されている場所で、椅子などを少しどかせてその場で体を動かすことができるだけ)」を実施するのみであること、冬場の約40日間は戸外運動を完全に中止していることなどについて、受刑者に適切な運動の機会を与えるよう勧告。

対横浜刑務所 医療について勧告(2008年8月28日付け)

足の指の増殖性の疣について、なかなか液体窒素による治療がなされず、爪切りを使って自分で増大する疣を切り取るという状態であったこと、C型肝炎感染の可能性があって血液検査の要請をしたのに、3か月間なされなかった(結果は陽性)ことについて、今後は適正な医療を行える体制を整備するよう勧告。

対横浜刑務所 医療について勧告(2008年8月28日付け)

受刑者が社会で服用していた頭痛薬を求めたとき、刑務所では過去の薬疹歴などを聞かずに別の薬を処方し、この薬により全身が腫れ上がり爪が全てはがれるという重篤な薬疹を発症したこと、この薬疹を発症したのが金曜日で、月曜日まで対応をしなかったことについて、今後は適正な医療を行える体制を整備するよう勧告。

対横浜刑務所等 信書の発信不許可について勧告(2008年5月9日付け)

横浜刑務所の受刑者が、他の刑務所にいる知人へ一般書籍や日弁連の出版物等を送ろうとしたところ、送り先刑務所はその受け取りを拒否し、他の刑務所にいる知人へ年賀状を送ろうとしたところ、横浜刑務所がその発信を不許可としたが、それらは、受刑者の矯正処遇にマイナスとなるものではないものであり、過剰な禁止措置である旨勧告。

対新聞社3社 実名報道について勧告・要望(2007年8月24日付け)

教員が痴漢行為で現行犯逮捕されたという実名報道に対し、本件のような事案では、学校名や居住町名を含む実名報道までは控えるべき等を求める勧告・要望。

対横浜市立専門学校 年齢差別について要望(2007年7月24日付け)

入学面接時に年齢差別の発言があったことに対し、再発防止の意味を込め、今後は年齢による差別を行わないよう指導を求める要望。

対横浜刑務所 発信処理について要望(2007年5月14日付け)

受刑者が人権救済申立書の発信を求めたが、実際に発信されるまで3か月もかかったことは受刑者の信書発信の権利を損なうものであり、今後は速やかに事務処理を行うよう要望。

対横浜刑務所 分類調査等の迅速化について勧告・要望(2007年2月14日付け)

刑務所入所の際の分類調査を速やかに行うことと、長期化した場合に不利益を生じさせないよう勧告、及び苦情処理の迅速化への要望。

対横浜刑務所 医療について勧告(2006年12月14日付け)

被収容者の診察日・処方投与薬品名等の客観的医療情報は希望する本人に開示すべきこと、皮膚科の専門医の受診に半年もかかるような実情を改善して適切な医療を受けられる環境の整備等をすべきことを勧告。

対横浜拘置支所 居房内捜検について勧告(2006年12月14日付け)

被告人が裁判期日に出頭した留守中にその居房内を捜検したことについて、未決勾留者の自由の制限は必要最小限度にすべきであり、被告人本人立会なしの居房内捜検は、緊急の必要性のない限り行わないよう勧告。

対横浜刑務所 領地物の保管について警告(2006年12月14日付け)

受刑者の妻からの信書61通が、先に出所した別の受刑者に交付されてしまったという事故の発生に鑑み、所有権及びプライバシー権の重要性から、領置物の保管方法・運用の抜本的見直し、出所者への領置物返還時の厳重な確認等をなすべきことを警告。

 
 
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