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神奈川県弁護士会 訪問販売お断りステッカー・リーフレットの配布について

昨今、高齢者を中心として、意に沿わぬ訪問販売を受けることにより、多額の消費者被害が発生しております。
神奈川県弁護士会は、このような悪質な訪問販売の予防のため、「訪問販売お断り」ステッカー及びリーフレットを作成しました。

費用 ステッカー・リーフレット代は無料です。
ただし、必要部数が大量の場合、送料を負担していただく場合があります。
その際には、担当者からご連絡いたします(弁護士会に直接取りに来ていただいても結構です。)。
申込方法 申込書を、下記連絡先に郵送又はFAXにてご提出ください。

神奈川県弁護士会消費者問題対策委員会 担当事務局
〒231-0021 横浜市中区日本大通9番地
TEL 045-211-7702
FAX 045-662-2277
注意事項 部数に限りがありますので、ご希望に添えない場合があります。現実に配布できる部数に限定してお申し込みください。
できる限り、リーフレットの内容をご説明の上での配布をお願いいたします。

関連事項

  1. 訪問販売お断りステッカー・リーフレットの使用方法に関し、必要に応じて説明の機会を設けますので、ご希望の方は、上記申込連絡先にご連絡ください。
  2. 弁護士会においては、消費者教育にも取り組んでいます。さらに進めてステッカーに絡めての訪問販売問題全般、その他消費者問題に関して講師がご必要な場合は、弁護士会の講師派遣制度もご利用ください。

    お問い合わせ先:神奈川県弁護士会総合法律相談センター
    TEL 045-211-7700

訪問販売お断りステッカーとはどんなもの?

訪問販売の苦情の実態

◆県内の消費生活相談窓口に寄せられた「家庭訪販」にかかる苦情相談件数は、年間6000件前後で推移、平成28年度の平均契約購入金額は212万8000円、平成28年度に消費生活センター等に相談した結果、被害の未然防止やその被害の回復が図られた金額(救済金額)は、約45億円に及びます(「家庭訪販」以外も含みます。)。
→不意打ち的な訪問勧誘が迷惑であり、また、消費者が冷静に判断できず後々トラブルが発生していることがわかります。十分な被害回復がされているともいえません。

◆県内における「家庭訪販」の苦情相談の約半数が65歳以上の高齢者です。
→判断力が低下していたり、一人暮らしで不安を抱える高齢者は、消費者の中でも特に一旦勧誘を受け始めると断ることが難しく、被害に遭いやすいことがわかります。

◆消費者庁が平成27年3月に実施した訪問勧誘に関する意識調査によれば、訪問勧誘を全く受けたくない消費者が96.2%です。
→消費者は、生活の平穏を望んでいます。勧誘態様は問題ではなく、望まない訪問勧誘を受けること自体が問題なのです。

現行条例

個現行の神奈川県消費生活条例は、以下のような規定となっています。

神奈川県消費生活条例

(不当な取引行為の禁止)
第13条の2 事業者は、消費者に対し商品等の売買又は提供に係る契約(以下「商品売買契約等」という。)の締結について勧誘しようとして、消費者に迷惑を及ぼし、又は消費者を欺いて消費者に接触する不当な行為として別表第1に掲げる行為をしてはならない。

別表第1(第13条の2、第21条、第27条関係)
1 消費者が拒絶の意思を示したことに反して、目的を偽り若しくは秘匿して、又は迷惑を覚えさせるような方法で、消費者の住居、勤務先その他の場所を訪問すること。

現行条例の問題点

訪問販売の苦情の実態

◆事業者は、消費者の意思にかかわらず、勧誘できます。
→望まない訪問勧誘であっても、事業者がそのような勧誘を行うこと自体はできてしまいます。

◆事業者は、勧誘開始後、消費者から勧誘拒絶の意思表示を受けたときで、かつ、不当な勧誘態様であった場合、勧誘を続けてはならないとされているに過ぎません。
→「消費者に迷惑を及ぼし、又は消費者を欺いて消費者に接触する不当な行為」(上記条例第13条の2)や「目的を偽り若しくは秘匿して、又は迷惑を覚えさせるような方法」(上記条例別表第1・第1項)でない限り、消費者が拒絶したとしても、事業者は勧誘を続けることができてしまいます。

◆消費者が勧誘拒絶の意思表示をしたことを立証するためには、事業者の勧誘が始まった(ことを消費者が認識した)ときから録音をする必要があります。
→消費者が、家庭に訪問してきた者が事業者であり、それが訪問販売の勧誘であると気づいてから録音機器を操作して録音をしたり、家庭に訪問してきた者とのやり取り全てを録音したりするなど、非現実的な手段を要求されることになります。

◆「消費者が拒絶の意思を示したこと」に貼り紙等による方法は含まれていません。
残念ながら、現行条例のままでは、訪問販売お断りステッカーを玄関先に貼っているだけでは、「消費者が拒絶の意思を示した」ことにはなりません。

当会の対応

訪問販売の苦情の実態

上記の問題点を踏まえて、当会では、消費者が玄関やマンションの入口等に「訪問販売お断り」ステッカーを貼付することが「消費者が拒絶の意思を示したこと」(訪問拒絶の意思表示)に該当するよう、条例の文言上明らかにすべきである旨の意見を述べました。

◆平成29年8月の神奈川県消費生活審議会(以下「審議会」)の答申に基づき、同年9月に実施されたパブリックコメントにおいては、「訪問販売お断り」などの貼り紙等により、訪問による勧誘を拒絶する意思を示している世帯への訪問を禁止することを規定することについては、意見の約半数を占め、うち7割近くの賛成意見が寄せられました。
しかし、県議会の意見、パブリックコメントにおける規制強化への少数の懸念を踏まえ、「神奈川県消費生活条例の改正素案」では、上記規定が削除されています。
先行して、黒岩県知事による同旨の答弁があり、神奈川県弁護士会は、審議会やパブリックコメントを無視するものとして、強い遺憾の意を表明しました。

「悪質な訪問販売 撲滅!かながわ宣言」

◆平成30年3月、神奈川県は、悪質な訪問販売から消費者を守るため、8つの事業団体とチームとなって取組みを推進することを宣言しました。
「法令を遵守し、適正な勧誘を行うための取組を進める」という共通の宣言のもと、団体ごとの宣言をし、県も知事自ら「悪質な訪問販売から県民を守る施策を推進する」ことを宣言しました。

◆「かながわ宣言」の後、平成30年9月には宣言団体のロゴマークを作成し、その後も「悪質な訪問販売に気をつけて!」シール及びチラシを配布するなど、県としても取り組みを継続しています(なお、このシール及びチラシは、当会の「訪問販売お断り」ステッカー及びリーフレットとは別のものです。)。

◆当会としては、上記の県の取り組みで満足することなく、今後も訪問販売による消費者被害防止のために、活動を継続していく所存です。

 
 
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