2015年06月23日更新
東京外国語大学教授の伊勢﨑賢治さんに、「自衛隊は、どこへ、何をしに行くのか」と題して講演をいただきました。
伊勢﨑さんは、PKO職員として、東ティモール、シエラレオネ、アフガニスタンなどで武装解除に携わった経験をもとに、映像なども多用して、大変説得力のある貴重なお話を聞かせてくださいました。日本は、アフガニスタン戦争やイラク戦争において、すでに集団的自衛権の行使を行っている、と鋭く指摘され、私たちは、そもそも今回の安全保障法案を廃案にするだけでなく、今一度、きちんと憲法9条に向き合う必要があるという問題提起もしていただきました。また、「後方支援」や「非戦闘地域」という言葉がまやかしの言葉であって、「憲法9条の改正なくして、武装した自衛官を海外に送ることは許されない」とお話されました。
また、講演のほかに、当会会員で、「明日の自由を守る若手弁護士の会」の会員でもある太田啓子弁護士には、安全保障法制の問題点などをわかりやすく報告していただきました。
盛りだくさんの充実したシンポジウムで、710名もの市民・会員の皆さんにご参加いただくことができました。
現在、安全保障関係法案の国会審議が進められようとしています。 この法案は、昨年7月1日の閣議決定に基づき、自衛隊が、他国軍とともに集団的自衛権を行使し、また、世界中どこでも、戦闘中の他国軍のすぐそばで、弾薬の提供や燃料の補給などの後方支援を行うことができるようにし、またPKOでの活動領域をひろげて、そこでの武器使用権限を拡大しようとするものです。 このような法律が出来て、自衛隊が海外に派遣されたら、いったい自衛隊は、そして日本はどうなるのでしょうか。 伊勢﨑賢治さんは、国連PKOにも携わり、アフガニスタン、シエラレオネ、東ティモールなど、世界の数々の紛争現場で、長年、武装解除の仕事などに従事されています。 戦場の現場を知り、国際情勢に通じた伊勢﨑さんは、安全保障法制をめぐる政府の説明や国会での議論がいかに現場のリアリティとかけ離れているかを再三指摘し、日本が、憲法9条を活かしつつ、非軍事的分野で国際貢献をし、平和構築に関わっていくことの重要性を訴えています。 対テロ戦で激変する国際情勢から見た、集団的自衛権や自衛隊の海外派遣の意味について、そして、今後日本はどこへ向かうのかについて、ぜひ、お話を聞いてみませんか。
<講師プロフィール> 伊勢﨑賢治さん 東京外国語大学大学院教授(平和構築学)。1957年生まれ。 国際NGOでスラムの住民運動を組織した後、アフリカで開発援助に携わる。国連PKO上級幹部として、東ティモール、シエラレオネで武装解除を指揮。またアフガニスタンでは、日本政府特別代表として武装解除を指揮した。 「武装解除紛争屋がみた世界」(講談社現代新書)、「自衛隊の国際貢献は憲法9条で」(かもがわ出版)、「日本人は人を殺しに行くのか戦場からの集団的自衛権入門」(朝日新書)、「本当の戦争の話をしよう世界の対立を仕切る」(朝日出版社)ほか著書多数。
PDFファイルが開きます。自衛隊は、どこへ、何をしに行くのか ~戦場から平和構築を考える~
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