2014年10月24日更新
精神科医で、立教大学現代心理学部教授の香山リカさんに、「精神科医が語る平和憲法」と題して講演をいただきました。
香山さんは、20年くらい前からこの国を広く覆いつつある不安や閉塞感が、人間の無意識の心の防衛メカニズムに働きかけ、怒りや不満をわかりやすい対象に投影して、それを攻撃するということが繰り返されているのではないか、そして、いまやその対象が憲法にまで及んでいるのではないかという分析を示されました。 精神科医ならではの、新鮮な切り口で、憲法問題について考えるにあたって、これまでにない新たな視座を示していただき、大変、貴重な講演となりました。
また、講演のほかに、「明日の自由を守る若手弁護士の会」の早田由布子弁護士には、集団的自衛権など安全保障をめぐる最新の状況についてわかりやすくご報告いただき、また、秘密保護法や改憲の動きに反対する学生や県内在住の主婦の方からもそれぞれの日頃の活動をご報告いただきました。
盛りだくさんの充実したシンポジウムで、547名もの市民・会員の皆さんにご参加いただくことができました。 ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。
安倍政権は今年7月1月に、長年憲法解釈として、認められないと されてきた、集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定を行いました。 それに先立つ3月4日、「戦争をさせない1000人委員会」の結成集会が開催され、香山リカさんはその呼びかけ人のお一人です。 香山リカさんは、集団的自衛権を認めるということはどういうことか、について次のように語っています。 「それは戦後、長いあいだ守ってきた『何が何でも戦争だけはいやだ』という私たちの社会、地域、そして個人の基本的な考え方を、ここに来てついに手放す、ということなのです。それは私たちの生き方 や暮らし方、社会の成り立ち方にも、じわじわと大きな変化が生じる と思うのです。」(「集団的自衛権ってなに?」七ツ森書館) 安倍政権は、また、特定秘密保護法を成立させ、武器輸出3原則も緩和し、「積極的平和主義」の名の下に、海外での武力行使を積極的に推し進める方針も打ち出しています。 私たちにとって、平和憲法はどういう意味を持つのか。私たちはどんな社会を望むのか。私たちがいま失うかもしれないものは何なのか。 香山リカさんの講演を聞いて、また、憲法について積極的に活動をしている若い世代の人たちの報告を聞いて、一緒に考えてみませんか。 皆様のご参加をお待ちしています。
<講師プロフィール> 香山リカさん 精神科医・立教大学現代心理学部教授1960年北海道生まれ。東京医科大学卒業。 豊富な臨床経験を活かして、現代人の心の問題を中心にさまざまなメディアで発言を続けている。専門は精神病理学。 NHKラジオ第一「香山リカのココロの美容液」(金曜・夜9:30より)でパーソナリティを つとめる。 近著に「怒り始めた娘たち」(新潮社)、「劣化する日本人」(ベストセラーズ)、「比べずにはいられない症候群」(すばる舎)、「ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか」(朝日新書)、「弱者はもう救われないのか」(幻冬舎)など、著書多数。
リンク:ニコニコ公式チャンネル「香山リカ医院」
※神奈川県弁護士会では、当イベントの内容を記録し、また成果普及に利用するため、会場での写真・映像撮影及び録音を行っております。撮影した写真・映像及び録音した内容は、当会の広報誌や書籍、DVDのほか、ホームページ、パンフレット等に使用させていただくことがあります。
PDFファイルが開きます。憲法問題シンポジウム「精神科医が語る平和憲法」ご案内 (6,170KB)
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