よくある質問
事業者の方の債務整理
1 個人事業者の方の債務整理
事業により大きな負債を負ってしまったのですが。
弁護士会の債務整理の相談は,クレジットやサラ金などの整理だけを対象とするものではありません。
個人事業主の方や,法人役員の方の事業による負債の整理についてもご相談頂くことが可能です。これらの場合も,基本的には通常の個人の方の債務整理と同じように,任意整理・個人再生・自己破産といった解決方針を検討していきます。
なお,任意整理や民事再生(個人再生)などの方法で事業自体も立て直す余地があるかもしれません。手遅れになる前に早めにご相談下さい。
小規模な個人事業を営んでいるのですが,個人再生はできますか。
個人の方であれば,債務総額が5千万円以下で(一部,債務総額の算定から除外される債務もあります(民事再生法221条1項)),営まれている事業に,生活費や再生計画案に基づく返済の原資を確保できるだけの収益性があれば,個人再生の利用は十分に可能です。
事業を継続しつつ,債務整理をすることはできますか。
任意整理や民事再生(個人再生)であれば,事業を継続しつつ,負債の整理をすることができます。
破産の場合であっても,かなり小規模な事業で処分できる事業用資産がないなど,具体的事情よっては事業の継続ができることもあります。
2 法人の債務整理
法人の債務について,相談ができますか。
法人の負債の問題についても,弁護士会の債務整理相談でご相談いただけます。
法人の債務整理については,どのような方法がありますか。
裁判所の関与無しに債権者と個別に返済に関する合意をしていく私的整理(任意整理)や民事再生などの再建型の手続,破産のように会社を清算してしまう手続などがあります。
再建型の手続きの場合,従業員・取引先への支払は継続できますか。
裁判所の関与なしに行う私的整理(任意整理)の場合は,金融機関とだけ返済条件等を交渉し,従業員・取引先への支払は継続できる場合があります。
裁判所の関与する民事再生や会社更生手続きでは,従業員・取引先等の金融機関以外の債権者も対象となります。この場合,従業員に対する賃金等と手続開始後に生じた取引先への支払は随時できますが,手続開始前に生じていた取引先への未払金は,原則として減額の対象となります。
どの再建方法が利用可能かは,実際の資金繰りや金融機関からの借入金額等によりますので,まずはご相談ください。
法人の代表者である連帯保証人も,債務整理が必要になりますか。
法人の債務整理により,法人が返済しないこととなった借入金等は,連帯保証人に請求されます。そのため,代表者である連帯保証人も債務整理が必要となるのが一般的ですが,破産しなければいけないとは限りません。
代表者である連帯保証人の債務整理についても,任意整理や個人再生等,様々な方法があります。また,自宅を残したまま債務整理できる場合もあります。
法人の破産に必要な費用にはどのようなものがありますか。
法人の破産手続きの費用で大きなものとしては,「弁護士費用」と「裁判所に納める予納金」が挙げられます。
弁護士費用については,担当弁護士との間で決めて頂くことになりますが,当弁護士会法律相談センターの法律相談の担当弁護士に依頼する場合,適正な内容かどうか弁護士会がチェックをすることになっています。
予納金については,裁判所が法人の規模や負債額・債権者数,予想される破産管財人の業務内容などにより決定しますが,法人の資産がほとんど残っておらず,事業規模が小・中規模の場合,20万円程度で済むこともあります。
このように破産をする場合でも,ある程度の費用はかかりますので,手持ちの資金がが無くならないうちに早期にご相談いただくことをお勧めします。
再建型の手続きに必要な費用は,どのようなものがありますか。
私的整理(任意整理)の場合は,「弁護士費用」です。また,法人の規模等によっては,将来の返済計画を作成するために,会計士や税理士の費用がかかる場合もあります。
民事再生や会社更生手続きでは,「弁護士費用」と「裁判所に納める予納金」が挙げられます。予納金は,負債の額に応じて裁判所が決定します。
「弁護士費用」については,いずれの場合も,担当弁護士との間で決めて頂くことになりますが,当弁護士会法律相談センターの法律相談の担当弁護士に依頼する場合,適正な内容かどうか弁護士会がチェックをすることになっています。
このように再建型の手続きにも費用がかかりますが,再建できるか否かにおいては時間も大きな要素となりますので,早期にご相談いただくことをお勧めします。